2019年07月17日

公益財団法人 庄内能楽館様 所蔵作品修復事業(第四期)

 公益財団法人庄内能楽館様より、所蔵作品の修復事業を請け負わせていただいております。
 第四期は、谷文晁作「蜷蝉」の掛軸と、二曲屏風作品の修復です。谷文晁作「蜷蝉」は、左手に花と蛛A下部には川のせせらぎが流れ、画面中央に木枝にとまる川蝉が可愛らしく描かれている静謐な雰囲気を醸している花鳥画です。修復前は、表装全体に波打ちや横折れがあり、虫損もありました。虫損箇所には補絹を施し、仕立て直し、太巻き芯を付けて桐箱を新調し、納めています。
 庄内能楽館理事長の池田宏様には今回もたいへんお世話になりました。ありがとうございました。

庄内能楽館修復前.jpeg
修復前


庄内能楽館修復後.jpeg
修復後
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2019年07月06日

浄土宗七祖聖冏と関東浄土教-常福寺の名宝を中心に-展

 先月の誠堂だよりに掲載しましたが、誠堂でポスター・チラシ・案内ハガキや展覧会図録の編集・製作を担当させていただいた「浄土宗七祖聖冏(しょうげい)と関東浄土教-常福寺の名宝を中心に-」展が、今月15日まで神奈川県立金沢文庫様にて開催されています。
 茨城県那珂市瓜連(うりづら)にございます常福寺様は水戸徳川家の菩提寺であり、今年は常福寺様を拠点に活躍された浄土宗七祖聖冏上人の六百年のご遠忌にあたります。このご遠忌の記念事業の一つとして開催されている今回の展覧会は、常福寺様の寺宝を拝見できる稀少な機会であります。
 先月30日(日)には、金沢文庫様の瀬谷貴之先生による月例講座があり、参加させていただきました。今回は展覧会開催準備の調査中に新発見のものが2件あったということで、とても興味深く楽しい講座でした。1件は徳川光圀公(水戸黄門)の念持仏であった、極小の阿弥陀三尊像です。中尊の阿弥陀如来菩薩像の像高は約1.5cm、両脇侍の観音菩薩像と勢至菩薩像は1cmに満たない小ささです。慶派による鎌倉時代特有の形式・様式をもつものであることが判明し、鎌倉時代の最小の仏像の一つである可能性があるのです。
 もう1件は、近年ゆかりの常福寺様の所蔵になりました聖観音菩薩立像です。この度、修理が行われたのですが、像内の墨書から仏師定快の作品で、その材料は鎌倉時代に浅草寺の本堂の柱から転用して使ったことが記されていました。誰も見たことがないと言われる秘仏中の秘仏である浅草寺の御本尊観音菩薩像の身代わりかもしれず、必見の作品であることは間違いありません。
 必見の作品が多く出展されているお薦めの展覧会です。称名寺様の散策と合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか。

金沢文庫外景.JPG
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2019年07月02日

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム様 鎌倉時代将棋の駒 複製事業 

 鎌倉の鶴岡八幡宮様が、境内に「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」を開館させました。巨匠ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三によって設計された、旧神奈川県立近代美術館 鎌倉を改修させた建物は、師のピュリスム(純粋主義)を継承するもので、その造形建築や白色の外壁はとても美しいものです。鎌倉武士、禅文化、鎌倉文士などなど奥深い鎌倉の歴史を次世代に継いでいくための活動をされていかれるとのことで、古都鎌倉にまた一つ、大きな文化発信の施設が誕生したと思います。6月8日(土)から7月15日(月・祝)までは、開館記念展「季節展示・夏」が開催されています。
 この度、鎌倉時代の稀少な将棋の駒5件の複製事業を受注し、お納めさせていただきました。シリコン素材に埋め込み、保存を考慮した桐箱は、そのまま箱から取り出して展示ができるようにも設計しました。
 ご発注をいただいた加藤健司先生、軽部弦様、勝矢聡様にはたいへんお世話になりました。誠にありがとうございました。

鶴岡八幡宮様将棋駒複製.jpg
上が原本、下が複製

鎌倉文華館.JPG
鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム