修復作業中には、ともに内刳(うちぐり)で、胎内に木札があることが発見されました。その木札から、昭和3年に一度修理されている由が判明しました。その昭和初期の修理では、もともと胡粉の白色で塗布されていたお顔や手などの色味が、製作当初のものと違い、少し赤味を帯びている顔料で塗られていました。今回は製作当初の再現をしようということで、お顔は胡粉で補彩されました。
ご発注いただいた長安寺ご住職の鈴木太源様にはたいへんお世話になりました。誠にありがとうございました。
道元禅師像 修理前
道元禅師像 修理後
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