右幅には修行僧である西行法師が、左幅には白象に乗った江口君が描かれています。
本紙には茶褐色のカビが付着しており、表装に糊浮きや浪打ちがみられました。作業前にカビの処理として燻蒸したうえで、剥落止め、表打ちを行い、解装、肌上げ、本紙洗浄、肌裏打ち、増し裏打ちの工程を経て、上下の裂は新調し中廻し・一文字は元使いをして、掛軸装に仕立て上げました。巻き癖を弱める太巻き芯、桐箱を誂えて納めさせていただきました。
今回も理事長の池田宏様にはたいへんお世話になりました。誠にありがとうございました。

左幅 修理前

左幅 修理後
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