この度、国指定重要文化財である『浄光明寺敷地絵図』複製の製作依頼をいただき、10月に納めさせていただきました。
浄光明寺様は、扇ガ谷(おうぎがやつ)にございます、真言宗泉涌寺派の寺院です。創建は建長三年(1251)頃で、開基は鎌倉幕府第五代執権北条時頼と第六代執権の北条長時と伝えられています。北条長時は北条義時の三男、北条重時の嫡男にあたります。その北条氏や足利氏とゆかりの深い名刹でございます。
この敷地絵図は、鎌倉幕府滅亡後に、浄光明寺様が北条氏関連の跡地の寺領への組み入れを所望したものと思われ、鎌倉時代末から南北朝時代にかけての浄光明寺様の境内の様子と寺域の規模、周辺の状況を伝えるたいへん貴重な史料です。平成12年に鎌倉市内で発見され、5年後の平成17年には国指定重要文化財に指定されています。
ご発注をいただきました鎌倉歴史文化交流館の山本みなみ先生、浄光明寺御住職の大三輪龍哉様にはたいへんお世話になりました。誠にありがとうございました。

浄光明寺敷地絵図 複製
鎌倉歴史文化交流館様 外観